焦点化や持続的情報処理が障害されることにより、情報処理の遅延や不完全な処理が起こります。不完全な処理はその背後にある感情に修飾され、悲観的、被害的な結論へと導かれる可能性を示唆しているのです。
又、その処理が不完全で一定、一様でない為に、何度同じ事象、刺激を受けても新しいもののように錯覚することがあります。言い換えれば、その刺激に対する慣れやパターン化が困難であることを意味するのです。
このパターン化は客観性であり、間主観性(客観的事実と思われる事象に基づいた主観、直感)であり、これを欠落することは、とりも直さず自明性(空気のように何も考えなくとも自動的に行えたり、生活できる当たり前の事象、法則)の喪失であることを意味します。自我意識障害(時間的・空間的・能動的に自分が自分でない感覚)のように自明性の喪失による「自分自身とは」という命題の喪失は、取りも直さず自分の周囲を占める「この世界とは」という根幹的命題の喪失でもあるのです。