抗鬱薬の副作用
賦活症候群
★抗うつ薬投与後早期もしくは、増量後早期に起こるものであり、確固たる診断基準は未だ無い。
★FDAによれば不安、焦燥、パニック発作、易刺激性、敵意、衝動性、アカシジア、軽躁状態、躁状態を挙げている。
★特に低年齢程賦活症候群が起こりやすく、これに伴う自殺関連事象が指摘されている。
★特に抗うつ薬投与後9日目までが高い危険性があるといわれる。
★薬理的には5HT2受容体がSSRIによる不安惹起に関係があるといわれている。
断薬症候群
★抗うつ薬を4週間以上服用し、投与中止後もしくは減量後7日以内に症状が発現する。
★動揺感、頭部のふらつき、悪心、嘔吐、頭痛、傾眠、不安、焦燥、刺すような痛み、しびれ、電気ショック様感覚、振震、発汗、易怒性、めまい、下痢等の症状が出現する。
★薬理学的には、抗コリン性薬物を中断すると、一過性にコリン作動性神経の過活動が断薬症候群に関与しているといわれている。
過量服薬
★TCAの平均致死量は成人で30mg/kg(子供では20mg/kg)(25mg70錠で危険→処方は14日分以下が安全)。
★初期症状として発熱、譫妄、錯乱、不穏、興奮、ミオクロヌス、舞踏病様運動、高血圧、反射亢進、眼球震盪、パーキンソン症状、痙攣等がある。
★続いて、末梢性コリン症状(紅潮、乾燥皮膚、散瞳、口内乾燥、排尿障害、便秘、腸音減弱)は出現、悪化すると中枢神経抑制状態となる。
★更に悪化すると、反射減弱、傾眠~昏睡、低体温、低血圧、チアノーゼ、呼吸抑制、心不全、頻脈、伝導障害、ショック状態となる。
★また、抗欝薬によるキニジン様作用により心室伝導障害(QRS延長)が起こる。因みにQRS0,1秒以上でICUの適応である。