2019年6月9日
PTSDの持つ心理的メカニズム
①強い恐怖を体験した際に自分の存在が危うくなり、そこから回避、脱却しようと渾身の力を振り絞る。この為、一過性にしても覚醒度を最大に上げて対応するわけで、その状況を鮮明に覚えていることは当然のことである。
②フラッシュバック(外傷体験を繰り返し思い出す)は、同様の危険な体験を回避すべく、又、これに対処・準備する防衛機制と言っても良い。しかしながら、過度に緊張感を高める為に疲労し鬱状態になる危険性を秘めている。
③過覚醒は、再度、危険な状況に陥っても即時に対処できるいわば臨戦態勢を整える防衛機制である。これも、フラッシュバクと同様に過度に緊張感を高めてしまう。
④しかしながら、外傷体験はあまりに辛すぎる場合に、又、フラッシュバックや過覚醒のように過度に緊張感を高めてしまい逆に自己を保つことが困難となる場合に、外傷体験のもつ過度のストレスを、回避や精神的麻痺によって、耐え得る程度に軽減する防衛機制と考えられる。