2019年6月9日
統合失調症とASDとの区別
間主観性
間主観性が発達している定型発達者では,対象を認識する時には,常に 『他者の 自己』と共同化されている(広沢,2010)。こ の潜在化している無名の他者が統合失調症では 妄想や幻覚の中で姿を現すのであるが,ASD ではこうした間主観性が未発達であるため,無名の他者は出現しにくいといえる(阿部 隆明 )。
間主観性は、所謂「自然な自明性の喪失」と表裏一体である。つまり間主観性は、一旦完成度が上がったとしても、統合失調症では病状の悪化に伴い間主観性は崩壊する。
又、間主観性の低下に於いて、無名の他者が出現し難いというが間主観性が低下すれば被害妄想や幻覚の対象者は広がり不明瞭となることもある。