2019年6月9日
新型鬱病に対するアンチテーゼ
⑥同一のエピソードの間にメランコリー型の特徴をともなうもの、または緊張病性の特徴をともなうものの診断基準を満たさない。
メランコリー型鬱病の特徴を伴うもの、すなわち自責的で控えめな性格が災いする典型的な鬱病を除外しようとしたものだが、やはり、双極性障害、統合失調症では他罰的、被害的であることが多い。
新型鬱病は批判に対して過敏であるが、他罰的という特徴を持っており、被害的であったり、自己内省に欠けるとも言え、人格の未熟さも示唆するものの、双極性障害、統合失調症等の内省を欠く疾患を先ず想定しなければならない。
緊張病性の特徴(緊張病性興奮、緊張病性昏迷)、すなわち極端な症状を呈す双極性障害や統合失調症を鑑別するものである。
完全に双極性障害や明らかなⅠ型双極性障害や自制の効かない興奮状態を伴った統合失調症は、一目瞭然に鑑別可能であるが、双極性障害の大多数は、Ⅱ型双極性障害であると考えられる。
このⅡ型双極性障害を敢えて除外していないところに新型鬱病の大きな問題点があると言えるし、実際に新型鬱病は双極性障害や統合失調症であるとも言える。