2019年6月9日
ASDと気分の上下
ASDでは,統合失調症の慢性期に観察される、感情の平板化や思考の貧困、意欲の欠如といったエネルギーポテンシャルの低下を反映する症状は通常は存在しない,熱中性や多産性など,むしろエネルギーの高さをうかがわせる症状が少 なくない。(阿部 隆明 ) 。
統合失調症の診断基準がマニュアル診断であり幻覚、妄想等の著明な症状に限定されている。このことはその症状の病理や中核症状を理解し難くしている。総合失調症は「自然な自明性の喪失」を基礎的症状と考えるべきである。統合失調症では、軽度であれば抑欝状態、認知機能の低下は軽度である。又、ASDでも鬱状態が通常存在しないと断言できるだろうか。
又、統合失調症と双極性障害の合併も少なからずあり、遺伝的解析でも両者の関連を示唆する報告もある。
この為、統合失調症でも躁状態を認めることはあり得る。