対人援助スキル
援助のプロセス
①相談者が信頼して話をすることが出来る場所を作る。慰めや安らぎを体験する場所を整えることが必要。
②信頼できる環境とは、教えること、説得
することではなく、共に歩く支持的な者として、振る舞うことによって整え
られる。
③考え方、感情表現が適切であり、自由な雰囲気で素直な援助者であることが、望ましい。
④相談者に対して、どんな時にも変わらぬ関心を示し、相談者にとって最善の策を優先することが、必要である。
人間のニーズ
①身体的安全;衣食住を確保し、DVからの安全を確保する。
②心理的安全;安全で守られていると感じたい。不正や不確かさから来る緊張感を軽減したい。
③愛情と所属;永続的に自分が受け入れられる集団に帰属することが容易に可能である際に、他者に対して、愛情や尊敬をはらうことが出来る。これが出来なければ、他者をコントロールしようとしたり、疑い深くなったり、攻撃、もしくは他者の目を引くような行為に出たりする。
④達成と自尊感情;人から好かれ、価値ある有能な人間と看做されたいと思うが、他者からの評価によって自己価値に気づく。自己価値が安定化してくると、他者からの評価にそれ程頼らなくても、自己評価が可能になる。
⑤自己実現;欠如のニーズ(自己成長、統合、自立、刺激)、存在のニーズ(挑戦)が満たされる過程で自己実現が満たされる。
援助者となる動機
①援助者もまた、ニーズを抱える存在である。自分の抱えている問題を、援助される側に見出すことがしばしばである。多くの有能な援助者は、自分の抱える厄介な問題への取り組みから、自分を成長させてきた者が多い。
②現在の置かれた環境より、より良い環境をこの世界に残したい。自分の人生が価値あるものであり、対人関係はその手段である。他者の役にたちたいという、利他的欲求がある。