日記
2013年12月22日
解離性同一性障害の損益
解離性同一性障害の損益 解離のメリット ①苦しい自我(部分的)を、切り離すことにより一過性の内的安定を図る。 ②自我同一性の極端な破壊を統一的自我同一性の拡散、不安定化によって一過性に防御する。 ③外界に対して脆弱な統一的自我を拡散、攻撃的自我或いは自己主張的自我を出現させ、外交的防衛機制を行い、内向的防衛機制で破綻した自己を保全する。 ④外界に対して脆弱な統一的自我を拡散、退行的自我を出現させることにより、周囲の理解を得て内向的防衛機制で破綻した自己を保全する。 解離のデメリット ①自我を拡散させるために統一的自我を失い、自我同一性が失われる。 ②外界のストレスに対して客観的、理性的、状況適合的判断に基づいて行動を起こすことが困難となる。 ③人格間の調和を図る為には余分な精神的エネルギー、時間を費やす。 ④記憶の障害や状況適合的行動が困難になったり、時間がかかるため、当然に社会適応が困難となる。 ⑤解離することで社会的不適応を起こしたり、人前で解離することが自己評価を低下させ更に社会から逃避的となる。 ⑥解離が頻回に起こり自己評価の低下、社会的不適応が顕著になると、解離自体が大きなストレス要因となり、自我脆弱性は更に進行。病的防衛機制である解離を増々使用することになるという悪循環に陥る。
2013年12月29日
強迫性障害
強迫性障害 【1】強迫性障害とは ①強迫観念;そこまで気になるはずの無い、或いはどうでも良いはず(自我違和性)の思考、衝動、イメージが、頭に度々浮かび消去し難いことを強迫観念と言います。 ②強迫行為;強迫観念に駆り立てられて、その不安を消去や防御する為に行う反復行動を強迫行為と言います。 以上の少なくともどちらかがある場合を強迫性障害と言います。 結果、不安感、焦燥感を伴うことが多く又、日常生活の範囲が制約、障害されるため自信を失うことが多く、鬱状態となり易いのです。 【2】強迫性障害の診断 大きく分けて以下の2つに分類することが治療上重要と考えます。 ①何度も気になる思考、衝動、イメージがその状況に比して過大な場合、確認行為の質や程度、頻度が困難さがその状況に比して非相応で過剰なもの。 例えば何度も施錠を確認しているが、泥棒に入られ、通帳やお金等大事な物が盗難にあうのではないか(強迫観念)という不安が収まらず、更に確認してしまう(強迫行為)。 ②何度も気になる思考、衝動、イメージがその状況に比して相応な場合や、確認行為の質や程度、頻度が困難さがその状況では相応の程度であるが、置かれている状況は改善することはなく、気にしてもどうもならない場合。 例えば、顔を整形した女性であるがその傷がなかなか治らない。整形担当医や他の医師(セカンドオピニオンを求められた)も時間が経てば必ず治癒すると言われているが。何度も顔の傷を確認する。
2014年1月5日
強迫性障害に合併する基礎疾患の鑑別の重要性
強迫性障害に合併する基礎疾患の鑑別の重要性 【3】強迫性障害に合併する基礎疾患の鑑別の重要性   診断で挙げた2つの分類は共に、強迫観念、強迫行為で日常生活に支障が出るのですが。この二つは基礎疾患があるか否かに分けた分類です。つまり治療方法が異なります。 ① 根本的に困難な状況に置かれれば、人は何度も不安な内容を考えたり(強迫観念)、その不安を解消しようとする行為や防衛行為としての確認行為(強迫行為)を行うものです。不安な思考、それを解消しようとする行為、確認行為の質や程度、頻度が過剰で生活に支障のあるものを根本的に強迫性障害と呼びます。 ② 置かれた困難の現実性を過剰に深刻さを伴って歪める精神疾患が基礎疾患として存在するならば、当然のごとく強迫性障害が起こり得るものと考えます。 ③ 何故、強迫性障害或いは強迫性障害様の症状(強迫スペクトラム)という語句を使用するかというと、強迫性障害は様々な精神疾患を基礎に発症していることが多く、厳密に強迫観念、強迫行為の有無だけでは診断し難い為です。 ④ 換言すれば、強迫性障害は一側面から見た状態診断であり、この診断だけでは治療に効果的に直結することは少なく、治療が困難となることが多いのです。

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