日記
2013年4月14日
強迫性障害
強迫性障害の治療
①置かれた困難の現実性、客観性を過剰に深刻さを伴って歪める精神疾患を治療し、現実性、客観性を取り戻す治療が不可欠です。
②置かれた困難の現実性を過剰に深刻さを伴って歪める精神疾患を治療する段階では、薬物療法が主とした治療方法です。
③何故なら歪んだ現実性、客観性に対して、現実性、客観性に基づいたロジックで修正をかけよう(認知行動療法)としても次元が異なり、奏功し難い為です。勿論、支持的、共感的精神療法は治療意欲を維持する為に必要ですが。
換言すれば、強迫性障害以外の現実性、客観性の歪みを生じる何れの精神疾患に対しても、歪みの大きい状態では、認知行動療法は奏功し難いと思われます。
④現実性、客観性の歪みが修正された後に、認知行動療法を行うと効果が期待できるようになります。
⑤強迫性障害に対する認知行動療法では具体的には暴露反応妨害法を使用することが一般的です。恐怖を抱く場面に身を置き、その恐怖に慣れることにより克服してゆく方法です。
2013年4月21日
鬱病かかりつけ委員会
鬱病かかりつけ委員会
自殺者数は約3万人/年(前年度は28000人弱)で15歳~39歳では死亡原因の第一位です。
全国で様々な取り組みが行われています。
自殺者の殆どが欝状態と考えられ、広く鬱病患者を治療に結びつけることが自殺者を減らすこととなるのです。
鬱病は身体症状が前面に出ることが多く不眠、食欲不振、倦怠感、熱感、ふらつき、痛み等を生じて内科や婦人科(更年期障害として)、脳外科等を受診される方が大半です。
つまり、鬱病と自分で気づくことは意外と難しいのです。
例えば倦怠感が強ければ当然に憂鬱な気分(抑鬱気分)になるのですが、この憂鬱な気分は倦怠感に相応の又、倦怠感に付属したものとして特別に「憂鬱である」と意識されることは多くないのです。これを「仮面鬱病」といいます。
内科や婦人科(更年期障害として)、脳外科等の医師も身体症状のみを治療しても難治であることが多く、持続的に不眠、食欲不振、倦怠感、熱感、ふらつき、痛みを訴える患者様を「もしかしたら鬱病では」と疑って頂くことが必要なのです。
又、患者様も不眠、食欲不振、倦怠感、熱感、ふらつき、痛みが持続する場合に、かかりつけの医師に対して、「もしかしたら鬱病では」と問いかけていただくことが勧められます。
2013年4月28日
気分障害と気分転換
鬱状態の患者様から「周囲の人から旅行にでも行ってみたらと言われた」とよく耳にしますが、本当に鬱状態に効果があるでしょうか。
鬱状態も様々で、逆効果のこともあるのです。
重度~中等度の鬱状態の場合、枕が替わることで不眠となったり、日頃より運動もあまり出来ていない為体力が落ちていて疲れやすく、とても観光を楽しめないどころか更に気分が落ち込んでしまうことも多いのです。
ご自分でも体力面で不安と思われることが多く、強引に旅行をお勧めしない方が良いでしょう。
では、軽度の鬱状態の場合はどうでしょうか。
そもそも鬱状態は「悪循環の状態」と言えます。
①気分が低下する→悲観的思考が強くなり認知の狭小化(置かれた状態に見合った悲観的状況より悪い状況として認識してしまう)が起こる→更に気分が低下する。
②気分が低下する→倦怠感、不眠、食欲低下等の身体症状が出現する→更に気分が低下する。
軽度の鬱状態の場合、上記の悪循環が少ない状況ですが、家に閉居して悲観的な事や不安な事を考える時間が多いと悪循環の①を活性化して悪循環に再度、陥ってしまいます。又、悪循環が少ないゆえに様々な気分転換も効果的です。
つまり、悲観的な又、不安な思考を一秒でも少なくすることが重要なのです。
この為にも、非現実の世界(現実の苦しい状況から逃れられる世界)に身を投じることが効果的です。
この非現実的な世界への移行の代表が旅行」と言えるのです。
では、どのような旅行が効果的でしょうか。
①疲れやすい旅程は逆効果です。
ゆとりを持って動くことが必要です。
1)歩き回って観光することは最初は気分転換になるのですが、疲労しやすく、倦怠感が強くなると次第に悪循環の②を活性化してしまい鬱状態は悪化します。
2)温泉につかってゆっくりすることは一見、理にかなっているように見えますが、これも疲れやすくなります。元々、鬱状態の方は悲観的な事や不安な事を考えている時間が長く緊張感が高い為、体温が上昇しやすい状態です。
熱いお風呂に長時間入ることは、体温を下げるためのエネルギーを多量に消費するため、控えた方が良いでしょう。
②アルコールも控えた方が安全です。
アルコールは気分をリラックスする作用がありますが、不眠の原因となります。
又、服薬中の患者様は寝ぼけてしまったり、薬の副作用が強く出ることがあり、アルコールとお薬の併用は安全とは言えません。
躁鬱病の患者様は気分の上下が激しく出現し、病状が不安定となりがちです。