日記
2014年10月26日
妊娠・授乳に対する向精神病薬の使用について(松島英介先生著)
妊娠・授乳に対する向精神病薬の使用について(松島英介先生著)
③気分安定薬
(a)リチウム
過去には、心血管奇形の報告が多かったが、最近はこれを否定する報告も多い。(但し日本では妊婦への使用は禁忌とされている)
妊娠後期での使用は新生児の筋弛緩、嗜眠、哺乳力低下、呼吸微弱、チアノーゼ、除脈、甲状腺機能障害の報告がある。
授乳に関しては乳汁移行率が高く、筋緊張低下、嗜眠、低体温、チアノーゼ等を引き起こす可能性がある。
2014年11月2日
妊娠・授乳に対する向精神病薬の使用について(松島英介先生著)
妊娠・授乳に対する向精神病薬の使用について(松島英介先生著)
④抗不安薬・睡眠薬(ジアゼピン系薬物)
ベンゾジアゼピン系抗不安薬に関して催奇形性は否定的である。
但し、ベンゾジアゼピン系薬物の胎盤通過性が高いため、分娩直前に投与すると新生児に呼吸抑制、筋緊張性低下、哺乳困難が見られることがある。
又、妊娠末期に使用した場合、何日か経ってから、筋緊張亢進、反射亢進、呼吸促迫、神経過敏等の離脱症状が見られることがある。
大量投与、多剤併用は慎まれるべきである。
乳汁への移行はジアゼパム1日30mg以上の投与で児に嗜眠等の報告がある。
2014年11月12日
妊娠・授乳に対する向精神病薬の使用について(松島英介先生著)抗癲癇薬
妊娠・授乳に対する向精神病薬の使用について(松島英介先生著)
⑤抗癲癇薬
(a)トリメタジオン;トリメタジオンで眉毛の異常、内眼角贅皮、耳介の低位等の奇形が報告されている。
(b)バルプロ散;バルプロ散は血中濃度依存性に催奇形性が高くなる。日本ではバルプロ散は妊婦に対して原則禁忌である。
(c)カルバマゼピン・ラモトリギン;カルバマゼピンやラモトリギンは知能指数の低下や自閉症の発現等の機能奇形は起こさない。
(d)フェニトイン;妊娠末期に多量のフェニトインを服用すると、筋緊張低下、哺乳困難、時に呼吸抑制を認める。
(e)フェノバルビタール;妊娠末期に多量のフェノバルビタールを服用すると、筋緊張低下、哺乳困難、時に呼吸抑制を認める。又、授乳への移行が高くなり児が嗜眠となる可能性がある。
(f)エトスクシミド・プリミドン・トピラメート・ゾニサミド;エトスクシミド・プリミドン・トピラメート・ゾニサミドは授乳への移行が高くなり児が嗜眠となる可能性がある。