日記
2014年12月28日
摂食障害の精神病理
子供の視線とそぐわない親の態度は確かに子の客観性の発達を阻害する可能性があるが、これが主たる原因だろうか。
元々、客観性の歪を生じる統合失調症や躁鬱病の児童ではないのか。
診療上では、親の態度が恣意的だから、子が自己否定的に捉えるということが、客観性を阻害する主な原因とは言い難く、親子関係を修正しても摂食障害が改善しないことが多い。
どちらかというと子が元来、客観性の歪を生じる統合失調症や躁鬱病であり、しかも親が理解力や共感性がなかったり、親が統合失調症や躁鬱病等であり親側の客観性の維持が困難な場合に、結果として子供にアンビバレンツな影響を与え易いことはある。
ヒルテブルグの摂食障害の中核症状である自尊心の欠如は親子関係のみで成立するとは認め難い。
統合失調症や双極性における、客観性の低下、欠落こそが中核症状である。
つまり、子供の視線とそぐわない親の態度は子の客観性の発達を阻害することはあっても、これが摂食障害の主たる原因とは言い難い。
これは統合失調症や双極性障害の遺伝が多く、結果、負因のある親と遺伝を受けた子の関係が偶々、摂食障害の主因と考えやすかっただけではないか。
根本的に、統合失調症、双極性障害の患者は悲観的思考、被害的に思考に支配され自己否定的であり、自己主張は苦手である。
ストレスが蓄積しても、外に向かって発散し難く、内側に発散されることが多く、摂食障害もリストカットと同様に自傷行為といえる。
この様な、客観性の低下を認める状況下での親子関係の修正を主とするカウンセリングは、ある程度効果があってもそれは限定的と言える。
2015年1月4日
摂食障害の精神病理女性性との関係
摂食障害の精神病理女性性との関係
極端なやせ願望あるいは肥満恐怖は客観性の歪の存在を示唆する。
元々、女性は被観察対象としての自我を強く意識することが、男性とは相対的に異なる。
確かに男性が女性を外見で評価することは多く、肥満等の外見を強く意識することは正常と言える。
但し、極端なやせ願望は周囲からの評価を落とすことが自明であり、不健康な外見は男性だけでなく同性から見ても病的に印象付けることとなる。
極端なやせ願望あるいは肥満恐怖は、女性の外見に関する周囲からの評価を気にするという特徴を前提に、その不安が統合失調症や躁鬱病に代表される自明性の喪失や、間主観の喪失による客観性の歪によって極端に強迫的に妄想的に加工されたものと考えられる。
ボデイイメージの障害は上記のメカニズムで起こるものと考える。
2015年1月12日
①拒食の病理 摂食障害の精神病理 ➀拒食の病理②過食の病理
摂食障害の精神病理
①拒食の病理
拒食は、ボデイイメージの障害や対人関係における、極端な被害的、自己否定的思考により形成される。
これらの認知障害は妄想や幻覚とも、強迫症状とも考えることも出来る。
②過食の病理
過食は、ボデイイメージの歪というよりも、鬱状態の際に多いがイライラや自己不満足感の代償として、又は躁状態の際の食欲増進によって起きる。